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unikki

Uni. + diary = Unikki

「ベートーヴェン受容史」に関する参考文献。

この数週間,S. Burnhamによるベートーヴェン受容史の論文を読むなどしていました。

Sounding Values: Selected Essays (Ashgate Contemporary Thinkers on Critical Musicology Series)

Sounding Values: Selected Essays (Ashgate Contemporary Thinkers on Critical Musicology Series)

この論集の15章に掲載されています。バーナムと言えば,NG(2nd ed.)でもベートーヴェンの受容の項目を書いている研究者です。A.B.マルクスの論文も有名ですが,Beethoven Heroもとりあえず借りてきて,そのうち読む予定です。

 

この機会でベートーヴェンの200年をめぐる,わりと包括的な勉強ができ,演習授業の課題という枠を超えて楽しませてもらいました。というわけでこのエントリーでは,ベートーヴェンの受容史関連で使用した文献を,忘れぬうちに記しておきます。

 

手軽に読める「受容史」と言えば,西原先生のものがまず思い浮かびます。今回も数年ぶりに読み直して,また多くのものを得させてもらいました。

またA.B.マルクスベートーヴェンに関する論は,非常に分かりやすく,バーナムの補強になりました。ちなみに件のマルクスベートーヴェンソナタ論は日本語でも読めます。

今となっては非常に読みにくく,まず演奏家でこれを参照する人は少ないだろうなぁ,という感も……。

 

でもうひとつ,今回の発表で重宝した,私のとっても好きな論文。

西洋音楽思想の近代―西洋近代音楽思想の研究

西洋音楽思想の近代―西洋近代音楽思想の研究

読んでて楽しい,に尽きます。ベートーヴェン関連の章は本当に充実していて,今回はホフマンの引用など多く参考にさせて頂きました。

 

三浦先生と根岸先生の監修で,三浦先生による上記著書に近い内容のコンパクトな論文も収録されているのが,こちら。

音楽学を学ぶ人のために

音楽学を学ぶ人のために

三浦先生の論文はもちろんのこと,他の論文も充実しています。特にエネルゲーティクに関連して,木村先生の論文は日本語で読める最も簡潔な論文です。今回の発表でもハルムに関する部分など,本当に重宝させて頂きました。

 

そうそう,バーナムの論文で,ベートーヴェンの1870年における受容に位置づけられているキーパーソンと言えば,ワーグナー。というわけで,ワーグナーに関してのパラグラフを作成するにあたってはこれを。

吉田先生の博論といえば,もう分量がハンパなさすぎる。去年の冬だったか,吉田先生がうちの大学で講義をするというので,この機会に…!みたいなことを思って,最初から読みはじめました。何度か図書館に通って閲覧室で出してもらうんだけど,分厚くて一向に進まなかった記憶があります。この書籍はその博論の終章をまとめたものということですが,今回は特にワーグナーの1870年の論文『ベートーヴェン』に関して参考にさせて頂きました。

ワーグナーの『ベートーヴェン』に関して,私が探した中ではこの吉田先生の論文がダントツに面白く,一論文の中の限られた紙面で読めるものとしては非常に詳細だったと思います。

 

ちなみにワーグナーベートーヴェン』は日本語で読めます。一次文献として参考にしたのはこの辺。

ベートーヴェン―第九交響曲とドイツ音楽の精神

ベートーヴェン―第九交響曲とドイツ音楽の精神

ベートーヴェン―永遠の序章 (1950年)

ベートーヴェン―永遠の序章 (1950年)

 

あとはワーグナーに関連して,ショーペンハウアー云々の話をするにあたっては,こちらの論文も。今道先生監修のこの論集。

精神と音楽の交響

精神と音楽の交響

これに収録されている渡辺護先生の論文も参考にさせて頂きました。

 

2次文献はこんな感じでしょうか。文献挙げただけで,大体どういう発表だったのか想像できてしまう。こんな漠然としたテーマで,こんなに広く浅くゆる~く発表させて頂けるのも,若くてピチピチの間だけですね,と改めて思ったのでした。

 

【2016.12.4 追記】この記事にアクセスがあるようなので、わずかに文章を整えまえした。