unikki

Uni. + diary = Unikki

開花宣言

ーーこちらは金沢地方気象台にあるソメイヨシノの標本木です。

 ご覧下さい、桜が咲きました!金沢にもようやく春の訪れを感じる季節となりました。

 

4月4日、こんなおっかないリポートが、

私の記者としてのデビューとなりました。

この春、6年間学んだ大学院を修了し、

石川での新生活が幕を開けました。

まだまだ自分にできることは少なく、

優しい先輩方に助けてもらいながらの毎日ですが、

報道人としての自覚と責任を持って仕事に取り組んでいきます。

いつも温かい応援を届けてくれる友人、家族、先輩、後輩・・・

そして、テレビを見て下さる石川県のみなさま、

これからもよろしくお願いいたします。

クラシカロイド#13とシューベルト「人魚幻想」

昨夜TLを遡っていると、フォロワーさんたちが、Eテレで人気のアニメ「クラシカロイド」をネタに盛り上がっていました。昨日はシューベルトの《ます》が取り上げられていたのですね(以下、第13話のネタバレを含みます)。少々長い記事になりますが、興味のある方、お付き合いください。

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頌春

みなさま、明けましておめでとうございます。いかがお過ごしでしょうか。

私は元日を立山を望む富山にて、三が日を温かい故郷にて迎えました。

 

昨年は多くの方に支えられて過ごした一年でした。就職活動や論文の執筆に際して、苦楽を共にし、素晴らしい瞬間を分かち合った友人。至らない私を見守り、心強く励ましてくださったすべての方々に厚くお礼申し上げます。本年はみなさまへの感謝を忘れず、新しい道での恩返しを模索してゆきたく思います。何より自身にとって飛躍の年にできるよう、精進してまいります。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

西洋ゼミの文献

更新をずいぶんと怠っていました,すみません。

 最近の西洋音楽史ゼミで読んでいるのは,BondsのAbsolute Music: The History of an Ideaです。なによりBondsが引用している,(膨大な!)古典的著作をあたる作業が,たいへん勉強になります。

Absolute Music: The History of an Idea

Absolute Music: The History of an Idea

 

Bondsを読む上で,ハンスリックの改訂の流れを追った批判版の存在は欠かせません。ドイツ人さすがです。

Vom Musikalisch-Schoenen: Ein Beitrag zur Revision der Aesthetik der Tonkunst

Vom Musikalisch-Schoenen: Ein Beitrag zur Revision der Aesthetik der Tonkunst

 

 後期ものんびり取り組む予定です。

《ロ短調ミサ曲》の批判校訂の歴史

1856/7年(Br&H)J. Rietz「旧全集」
1954年(Bärenreiter)F. Smend「新全集」
1997年(Peters)Christoph Wolff
2005年(Bärenreiter)U. Wolff「新全集の補遺」
2006年(Br&H)Joshua Rifkin
2010年(Bärenreiter)U. Wolff「新全集(改訂版)」
2014年(Carus)U. Leisinger


 そうそうたる音楽学者の名前が並んでしまいました。これ,バッハ旧全集から続くh-mollミサの批判校訂版の校訂者の一覧です。見て頂くと分かるように,20世紀末から立て続けに5つのエディションが出版されています。


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 バッハの他の作品と同じように,長年にわたって演奏のスタンダードを決定してきたのは新全集(スメント校訂)だと思います。ですがこの版は,デュルやダーデルセンの年代学の恩恵に預かることがなかったため,現在ではずいぶんと間違いが多いものだと見なされています。ふつう規範となるべきである新全集が,そういう風に不完全であったので,20世紀末に「新しい批判校訂版」への要請が高まったのは当然の成り行きだったのだと思います。
 1997年に満を持して出版されたのが,クリストフ・ヴォルフ校訂のPeters版。この版では,スメントが犯した年代推定に関するミスの多くが訂正されました。ところがそれから10年も経たないうちに,リフキンが新しい版を出版しています。というのも,クリストフ・ヴォルフ版は校訂報告が詳細でなかったため,より学術的な校訂と校訂報告が求められたのです。リフキン版では,C.P.E.バッハによる書き込みが初めて詳細に論じられました(特にクレド)。このリフキン版の成果を反映しつつ,さらにX線調査といった科学的な研究の成果が反映されたのが,2010年に出版された「新全集の改訂版」というわけです。
 そして今年。ライジンガーが新たに批判校訂版を出版しました。


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 奇しくもカンタータクラブが,来年の定期演奏会クレドを演奏するそうです。Peters版に付録のC.P.E.バッハによるクレドへの導入も演奏するということで,おそらく1786年におけるC.P.E.バッハによる演奏(バッハ死後の部分初演)を意識したものになると思うのですが,そうすると必然的にクレド本体部分もC.P.E.バッハの書き込みを全面的に肯定するかたちでの演奏になるかと思います。リフキンによる校訂のように,あくまでJ.S.バッハ自身の書き込みのみを追求するような,一昔前に流行ったいわゆるオーセンティックな志向の演奏は多々あると思うのですが,今回カンタータクラブが試みようとしているような上演はまだ珍しいと言えるかもしれません。

ベートーヴェンとニューミュージコロジー

美学ゼミでやってる文献のエントリー.

 

下記の論集を読んでおります.

The Invention of Beethoven and Rossini: Historiography, Analysis, Criticism

The Invention of Beethoven and Rossini: Historiography, Analysis, Criticism

 

 

こっちの文献も面白いです.

Beethoven and the Construction of Genius: Musical Politics in Vienna, 1792-1803

Beethoven and the Construction of Genius: Musical Politics in Vienna, 1792-1803

 
Beethoven and the Construction of Genius: Musical Politics in Vienna, 1792-1803

Beethoven and the Construction of Genius: Musical Politics in Vienna, 1792-1803

 

何が面白いかって,ベートーヴェン研究にあって社会学的なアプローチに終始する異色の一冊であること.ニューミュジコロジーの肉厚感.この本の書評を書いている音楽学者が,たとえばロックウッドといったいわゆるベートーヴェン研究畑の人間ではなく,タラスキンであることも,それを物語っています.

 

《ロ短調ミサ曲》参考文献

卒論の内容がフラフラしてる一方で,ゼミではしばらくバッハをやってます.4月の頭くらいに,Bach-Jahrbuchを10年分くらいペラペラしながら統計とって,頻出してるテーマを選んでみたら,どうも近年《ロ短調ミサ曲》が熱いぞ,ということになりました.受講生で分担しながら《ロ短調ミサ曲》について勉強する日々です.

 

バッハ ロ短調ミサ曲

バッハ ロ短調ミサ曲

 

日本語で読める最も充実した文献をひとつ挙げるとしたら,迷うことなくこれ.この本の巻末には書誌目録や楽譜リストもあります.

 

日本語では,下記の小林先生の著書も勉強になりました.

バッハ―伝承の謎を追う

バッハ―伝承の謎を追う

 

 後半《ロ短調ミサ曲》に大きく紙面が割かれています.

 

そして英語ならダントツでこちら.7年くらい前にイギリスで行われた大会の論集です.

Exploring Bach's B-minor Mass

Exploring Bach's B-minor Mass

 
Exploring Bach's B-minor Mass

Exploring Bach's B-minor Mass

 

Kindle版も購入できるようですね. この論集は本当に面白い論文ばかりで,毎週とても楽しく読んでいます.

 

最近うちの大学の研究センターに入ったドイツ語の論集もあります.  

パラパラしてみた感じ,上の論集を補うような小論がいくつか収められていました.

Bachs H-Moll Messe: Entstehung, Deutung, Rezeption

Bachs H-Moll Messe: Entstehung, Deutung, Rezeption

 

これらとは別に,ネットで公開されている論文で,示唆に富んだものもあります.最新の研究状況を反映したものもあり,ぜひゼミでも扱いたいと思って,無理くり発表に取り入れさせてもらったりしました(すみません).

 

ゼミの中で,自分は研究史をまとめたり,種々の楽譜校訂やいくつかのエディションについて考察しました.それだけでも,このあまりにも大きな作品が,今まさに古い遺跡の中から立ち現れる姿の片鱗を見た気がします.

来月にはカールスから新しい楽譜も出るらしいので,楽しみが増えたというか,悩みの種が増えたというか,そんな感じの6月でした.

トライトラーを読むための参考文献

備忘録。実に3年ぶりの美学ゼミでの発表。

 

1週間前にテクストが決まるという鬼畜なルール(?)で,私がGWを捧げる相手として選んだのは,レオ・トライトラーの『音楽と歴史的想像』。アメリカ人らしくないその名前の響きに,聞き覚えがあったからです。 

Music and the Historical Imagination

Music and the Historical Imagination

 

トライトラーを知ったのは,学部1年の頃です。冬の集中講義でのことでした。当時はよく分からないままに過ぎ去った記憶もあったので,真剣に取り組んでみたいな,と思ったのが動機です。

当時,私が読んだのは,青土社の雑誌『もうひとつの音楽史』に所収の論文「歴史とはどんな物語なのか」。ダールハウスや,グッドマンを読んだゼミでのことでした。このトライトラーの論文は,上でご紹介した当該の著作『音楽と歴史的想像』に所収の,とある論文への批判に対する,著者からの答えとして書かれたものでした。ですので,むかし読んだ時は,そういったコンテクストが分からなかったがゆえに,咀嚼しきれない部分が多々あったことは否めません。

 

さて,当該の『音楽と歴史的想像』では,トライトラーが1966年から88年までの22年間にわたって書き上げた論文が収録されています。この論文集の1章と4章(それぞれ1980年と1967年に初出の論文)を取り上げたのですが,言及されている歴史哲学家のテクストも当たってみよう,ということで何冊か手に取ってみました。

その中でも面白かったのが,コリングウッドの『歴史の観念』。

歴史の観念

歴史の観念

 

読み応えもあって,ダントツに面白かったです。これまでダールハウスが詳細に論じているのを間接的にしか読んだことがなかったので,今回,直接手に取り原文にあたれたということは,かなり価値あることでした。21世紀の我々が読んでも古く感じさせない,そんな語り口です。

 

そして,手に取ったは良いのですが,かなり読みにくさを感じて当惑したのが,ディルタイ。これは咀嚼できずに消化不良。これは別の機会にまた向き合いたい。

解釈学の成立  改訂版(1981年)

解釈学の成立  改訂版(1981年)

 

 

ちなみに,本文テクストの中では,上に挙げた歴史哲学や解釈学のみならず,言語学の援用も多いのですが,とりわけ何度も取り上げられているのが,ジョナサン・カラー。言語能力と言語運用の話がされています。

文学と文学理論

文学と文学理論

 

  

かの有名なバッハ研究者であるアーサー・メンデルが1961年の学会発表の論文で援用したカール・ヘンペルの「因果説示モデル」。このヘンペルの「因果説示モデル」が音楽史記述にもたらした影響の再検証が4章では行われます。

科学的説明の諸問題 (1973年)

科学的説明の諸問題 (1973年)

 

 

自然科学の哲学 (1967年) (哲学の世界〈7〉)

自然科学の哲学 (1967年) (哲学の世界〈7〉)

 

ヘンペルは英米圏の文献で頻出。戦後アメリカでずいぶん流行ってたみたいですね。これは押さえておかなければ,という感じでした。

 

あとは,1章の本文に 引用もされているので,今更という感じになりますが,シェンカーはみんな読んでる前提だったのかな。「形式主義者」としてトライトラーの批判の対象になっています。初期の著作である『ベートーヴェンの第9交響曲』の分析。

ベートーヴェンの第9交響曲 分析・演奏・文献

ベートーヴェンの第9交響曲 分析・演奏・文献

 

シェンカーは,むかし内輪の勉強会で取り上げて,テクストと楽譜を突き合わせながら丁寧に検討をした経験があったので,振り返ってみると,その経験がずいぶんと今回の発表にも効いていた気もします。

こんな感じで,いろいろなテクストを読みながら,かなり集中して連休からの1週間を過ごすことができました。ちょっと分量がキャパを越えていた感じは否めませんが。ゆっくり休みます。

相変わらず

相変わらずゆるーい学業生活の合間に楽器を取り出してきて,どこぞの本番に乗ってみたり,珍しく活動的に過ごした春でした。

 

以下,執筆したプログラムノートのメモ。

 

さいきん書いたもの。

・母校の校歌の吹奏楽編曲

・伊藤康英「ぐるりよざ」

・スミス「アフリカ:儀式と歌,宗教的典礼

・スパーク「オリエント急行

・2013年度 課題曲1「勇者のマズルカ

・2013年度  課題曲5「流沙」

 

いま書いているもの。

・ヤコブ・デ・ハーン「ロス・ロイ」

・リード「アルメニアダンス パートⅠ」

・中原達彦「吹奏楽のための音楽 第5番」

 

ゼミでやっているもの。

シューマン op. 25-7とロベルト・フランツop. 25-1

ヨハネ受難曲 第6曲,7曲

 

【追記 2016.12.31】

これまでに執筆したプログラムノートをメモする場所をつくりました。

本人もどんどん忘れてしまうので、小さなものも書き留めておきます。

http://hitomixfu.web.fc2.com/works.html

 

 

「解釈」と「音楽解釈学」

内輪でやっている某勉強会で,ここ最近佐々木健一『美学辞典』を扱っています。

美学辞典

美学辞典

芸術学やら美学を専攻するだいたいの学生は,参考書としてこの辞典を買う(と私は信じている)のですが,この本は通読する類のものというよりは,勉強していて何か気になることがあるとその都度参照する,みたいなのが正しい用途のような気がしています。実際に,これまで私も幾度となくこの本を参照し,重宝してきました。一方で腹を括って深く読み込んだことはありません。ということで,今回の勉強会では,この辞典から一人一項目選んで発表してゆくとになりました。グエッ。

 

発表の1回目では,友人が「かたち」の項目の要約と「ロシア・フォルマリズム」について扱ってくれました。第2回目は私が当番。どの項目を選んでもよかったのですが,佐々木先生が音楽について多少なりとも触れている項目を選んで吟味するのが面白いかなーと思い,「解釈」の項目を選んでみました。

 

前置きが長くなりました。・・・先週の発表で使用した参考文献を紹介しようと思ってこのエントリーを書き始めたわけです。

さしあたって読み始めたのがガダマー『真理と方法』。

真理と方法 1 哲学的解釈学の要綱 (叢書・ウニベルシタス)

真理と方法 1 哲学的解釈学の要綱 (叢書・ウニベルシタス)

2巻が面白かった。あとはこっちも。

哲学・芸術・言語―真理と方法のための小論集

哲学・芸術・言語―真理と方法のための小論集

残念ながら,ガダマーの著作は手当たり次第に読んだだけに留まり,当の発表では殆ど使えず。

 

というのも,例の『美学辞典』の「解釈」の項(の特にⅡ)は,実はあまり「解釈学」の概念史の流れを追っているわけではないためです。特に同化メカニズムにおけるパース「解釈項」の話に大きく紙面が割かれていて,その辺を理解するためには,こっちの論文とかを参照したり。

講座 美学 (3)

講座 美学 (3)

三巻に収用されている3「芸術記号論」。エーコ記号論』を踏まえていないと,佐々木先生の「解釈」の項は読めなかったりするので,大いに参考になりました。また同書に収用されている2「解釈学」(眞鍋將)は,むしろ佐々木先生が「解釈」の項ではそれほど詳細に触れない,シュライエルマッハーからガダマーへ繋がるような,「解釈学」のある種「概念史」が,分かりやすく(でも読むには根性が要ると思う)まとめられていました。

ちなみに佐々木先生の「解釈」の項目では,パース「解釈項」における「無限の連鎖」という話から,音楽における「演奏解釈」の話が続く。

…が。

「音楽解釈学」って別にあるよね,というのが今回の発表のもう一本の柱。主にクレッチュマーやアーノルト・シェーリング(の「詩的理念」!)から,マーラー研究におけるフローロスに至るような,「音楽解釈学」という系譜の話。

音楽美学入門 (1981年)

音楽美学入門 (1981年)

これはもう本当に文献がなくて,NGを引っ張り出して来たり,国安先生の著書にお世話になったり。シェーリング以降,通俗的な楽曲解説のレベルになってしまったとされる「音楽解釈学」も,クレッチュマーにおける学問的態度は評価されるべきであるという見方や,当時「客観的」とされた音楽分析や「音楽内的な」思想としてのエネルゲーティクとは,まったく別の方向を示す流れとして「解釈学」の台頭を捉えることも可能だと知ることができたのは収穫でした。(←日本語長・・・)

なんにせよ「音楽解釈学」は文学研究における「解釈学」とはかなーり脈略を異にしています。クレッチュマーは18世紀の「情念論」を音楽理解の手法として復活させるために解釈学を持ち出してきているわけですが,まあそれは「解釈学」の系譜とはぶっちゃけあんまり関係ないよね,というお話。

そういうわけで,どうにもこうにもまとめようがなくなってしまった訳です。まとめが「まとめられませんでした」とかいう,改めてこんなトンデモナイ発表にお付き合いくださいました皆さんありがとうございました。なんかまあ,楽しかったです。

「ベートーヴェン受容史」に関する参考文献。

この数週間,S. Burnhamによるベートーヴェン受容史の論文を読むなどしていました。

Sounding Values: Selected Essays (Ashgate Contemporary Thinkers on Critical Musicology Series)

Sounding Values: Selected Essays (Ashgate Contemporary Thinkers on Critical Musicology Series)

この論集の15章に掲載されています。バーナムと言えば,NG(2nd ed.)でもベートーヴェンの受容の項目を書いている研究者です。A.B.マルクスの論文も有名ですが,Beethoven Heroもとりあえず借りてきて,そのうち読む予定です。

 

この機会でベートーヴェンの200年をめぐる,わりと包括的な勉強ができ,演習授業の課題という枠を超えて楽しませてもらいました。というわけでこのエントリーでは,ベートーヴェンの受容史関連で使用した文献を,忘れぬうちに記しておきます。

 

手軽に読める「受容史」と言えば,西原先生のものがまず思い浮かびます。今回も数年ぶりに読み直して,また多くのものを得させてもらいました。

またA.B.マルクスベートーヴェンに関する論は,非常に分かりやすく,バーナムの補強になりました。ちなみに件のマルクスベートーヴェンソナタ論は日本語でも読めます。

今となっては非常に読みにくく,まず演奏家でこれを参照する人は少ないだろうなぁ,という感も……。

 

でもうひとつ,今回の発表で重宝した,私のとっても好きな論文。

西洋音楽思想の近代―西洋近代音楽思想の研究

西洋音楽思想の近代―西洋近代音楽思想の研究

読んでて楽しい,に尽きます。ベートーヴェン関連の章は本当に充実していて,今回はホフマンの引用など多く参考にさせて頂きました。

 

三浦先生と根岸先生の監修で,三浦先生による上記著書に近い内容のコンパクトな論文も収録されているのが,こちら。

音楽学を学ぶ人のために

音楽学を学ぶ人のために

三浦先生の論文はもちろんのこと,他の論文も充実しています。特にエネルゲーティクに関連して,木村先生の論文は日本語で読める最も簡潔な論文です。今回の発表でもハルムに関する部分など,本当に重宝させて頂きました。

 

そうそう,バーナムの論文で,ベートーヴェンの1870年における受容に位置づけられているキーパーソンと言えば,ワーグナー。というわけで,ワーグナーに関してのパラグラフを作成するにあたってはこれを。

吉田先生の博論といえば,もう分量がハンパなさすぎる。去年の冬だったか,吉田先生がうちの大学で講義をするというので,この機会に…!みたいなことを思って,最初から読みはじめました。何度か図書館に通って閲覧室で出してもらうんだけど,分厚くて一向に進まなかった記憶があります。この書籍はその博論の終章をまとめたものということですが,今回は特にワーグナーの1870年の論文『ベートーヴェン』に関して参考にさせて頂きました。

ワーグナーの『ベートーヴェン』に関して,私が探した中ではこの吉田先生の論文がダントツに面白く,一論文の中の限られた紙面で読めるものとしては非常に詳細だったと思います。

 

ちなみにワーグナーベートーヴェン』は日本語で読めます。一次文献として参考にしたのはこの辺。

ベートーヴェン―第九交響曲とドイツ音楽の精神

ベートーヴェン―第九交響曲とドイツ音楽の精神

ベートーヴェン―永遠の序章 (1950年)

ベートーヴェン―永遠の序章 (1950年)

 

あとはワーグナーに関連して,ショーペンハウアー云々の話をするにあたっては,こちらの論文も。今道先生監修のこの論集。

精神と音楽の交響

精神と音楽の交響

これに収録されている渡辺護先生の論文も参考にさせて頂きました。

 

2次文献はこんな感じでしょうか。文献挙げただけで,大体どういう発表だったのか想像できてしまう。こんな漠然としたテーマで,こんなに広く浅くゆる~く発表させて頂けるのも,若くてピチピチの間だけですね,と改めて思ったのでした。

 

【2016.12.4 追記】この記事にアクセスがあるようなので、わずかに文章を整えまえした。

10月28日「隅田川+カーリュー・リヴァー」

「隅田川」+《カーリュー・リヴァ―》芸大、奏楽堂シリーズ特別公演。

 

ああもう,本当に素晴らしかった。思い返すとついホロリとなってしまう。

10月18日

忘れぬうちに演奏会の記録を。

 もう先週のことなのだけれど,JCNプレミアムコンサート2012ということで,「ウィーン・フーゴ・ヴォルフ三重奏団」,18日木曜日,新しくなった東京芸術劇場へ。

 アレンスキーのピアノ三重奏曲第一番op.32をはじめとした,濃いというか,なんともポイントを押さえたプログラム(笑)アレンスキーの力作,勢いのある快演で,聴いててほんと気持ちよかった。

 息をのむような美しいアンサンブルに嘆息。

 

メモ,10月13,14日演奏会

 土曜日は芸大奏楽堂へ。「幕末~その時、世界は?」シリーズ第3回「ジャポニズム~外から見たニッポン」。レクチャー「パリ万博とエグゾティスム」(井上さつき先生)&コンサート「オペラ、オペレッタの中のニッポン」。井上先生のレクチャー分かりやすく,楽しかった。

パリ万博 音楽案内 (はじめて音楽と出会う (はじめて音楽と出会う本)

パリ万博 音楽案内 (はじめて音楽と出会う (はじめて音楽と出会う本)

で,この本を思い出した。

 

 日曜日はサントリーホールへ。オルガンレクチャーコンサートシリーズ「ウィーン音楽散歩Ⅱ」。サントリーはハコが大きいせいもあり,ちょっと・・・。プログラム前半は妙に危うい曲もあり,どきどきしながら聴いていたが,プラニアフスキー氏,最後のシュミット前奏曲は神懸っていた。

 

アルヒーフは監獄?「音楽のある展覧会」

 

音楽のある展覧会「ウィーンに残る,日本とヨーロッパ450年の足跡」

 3連休はウィーン楽友協会アルヒーフ資料展へ。

http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/sponsor/2012/121006.html

 展覧会用にサントリーホールの小ホール(ブルーローズ)の内装が大きく変わっており,しかも相当な凝りようでなかなか見栄えしていたので「お金かかっとるなあ」という印象を受けつつ,あまり盛況しているとは言い難い様子。

 特に連休2日目である日曜日は人もまばらで,おかげでゆっくり資料を見ることができた。さすがに月曜日である今日の昼時には(ビーバ氏のレクチャーとあってだろうか),人口密度もその倍ほどだったように思われるが,展示品を見るのに人垣をかいくぐるようなことがないのは,ストレスフリーで有難い。

 

 展示の内容に関しては,少なくとも私が,「楽友協会のアルヒーフ」というものに対して抱いているイメージからは少し遠かったように思う。むしろ今回の展覧会を通してその認識を改めさせられた部分も多い。

 無論アルヒーフには我々が期待しがちな作曲家に由来する手稿譜・直筆譜も数多あるのだろうが,出版譜あり,手紙あり,ポートレイトあり,遺品あり……。

 そこから「意味のあるものを取り出す」のは至難の業。歴史的に重要な資料として語らせるためには一種のスキルが必要なんだな,と。今回の展覧会で日本に連れてこられた展示品の数々は,そういう観点では上手くひとつの線を描いていたと思う。 

  さてギャラリートークであるが,初日フックスによるレクチャーは,予備知識がない人向け,という印象が強かった。19世紀の「偉大な作曲家とムジークフェラインの歴史」という内容で,スライド付きの解りやすい内容。良くも悪くも一般向けの公開講座という感が否めなかった。

 本日のビーバ氏によるレクチャーは,昨日よりは展示品に関する言及も多く,個人的にはとても勉強になった。